6600万円のゴッホ「農婦」

日本橋高島屋8階ホールで開催されている「ウッドワン美術館所蔵 近代日本の絵画名品展」に行きました。

2003年2月のオークションで6600万円で落札され話題になったフィンセント・ファン・ゴッホ「農婦」や、岸田劉生「毛糸肩掛せる麗子肖像」(こちらは3億6000万円)、上村松園「舞仕度」などがメインの展覧会。そのほか近代の日本人が描いた日本画(横山大観、鏑木清方など)と洋画(黒田清輝など)が多数展示され、観覧者の年齢層は高めでした。

会場は作品数が多い割に狭く、通路は人でゴタゴタしていました。休憩用の椅子も終盤に6席あるだけ。出口では皆さんお疲れの様子でした。

さて、作品の感想ですが、話題の「農婦」は筆のタッチも荒々しい「肝っ玉かあさん」でした。絵自体はかなり上描きされていて、ゴッホの作品として鑑賞するにはどうなのかなと首を傾げる感じ。個人的に6600万円あったら別の絵を買うと思います。絵の価値としては、集客も含めての6600万円が妥当。

「毛糸肩掛せる麗子肖像」は意外に小さい絵でした。画面の半分くらいが顔。私がこんな風に描かれたら、ちょっとふてくされると思いました。もう少し良い顔に、画面からはみ出しそうな横長の頭だけでもどうにかして欲しいと思ったことでしょう。繊細なタッチで描かれた肩掛けが暖かそうな風合い。展覧会を出たグッズ売り場で、同じデザインの「肩掛け」を売っていたのにはグッときました。

展覧会で一番良かったのは「舞仕度」。画面全体が華やかで「人が壁に飾りたくなる絵」だと思いました。描かれた人たちの透明な初々しさが微笑ましく、着物や帯デザインのこだわりに「日本のこういうところが最高」と再認識しました。

全国巡回予定→asahi.com : イベント情報 : 近代日本の絵画名品展

by ittan at 2003年09月25日 02:03 | etc... | Comments [0] + TrackBacks [0]

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